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■オークスの日
 最近は一日いい天気が続く日がなく、うんざりするような空気が漂ってばかりの毎日だった。迎えたオークス当日は久々の好天。それだけで何か嬉しくなってしまうくらい、心がちょっとやられていた模様。気温も30℃近くまで上昇し、今年初の半そででウインズまで繰り出した。

 照りつける太陽が女王決定戦出走馬の若さ漲るエネルギーにも似て、私を圧倒する。くちづけするには少々暑すぎるかなと思う一方で、これくらい熱くなければくちづけなんでできないかなとも思う。語感では『キッス』よりは『キス』の方が似合うような、そんな太陽の下。

 ファンの欲目で『今年の女王は歌姫に決定だ!』というのも悪くないなと思うが、こんな熱い日の野外コンサートで恋歌なんか歌うのも違う気がする。せめて『Love Song』であればまだ良かったのかもしれないが、『恋歌』じゃちょっと違う。

 『昼過ぎだけど、朝日が昇る!』って実況してくれたら神だ。そんなつまらないことを考えながら、『朝日が陽が昇る』という馬名だと気付いた。『腹痛が痛い』だな。いや、『頭が頭痛』の方か。

 桜花賞上位入着馬に想いを巡らせていたら、ふと思い出したのが04年のダービーだった。最近ハーツクライコスモバルクの話題を耳にすることが多いからだろうか。あの日も素晴らしい天気で30度を超える暑い一日だった。そしてあのレース。まだ未熟な3歳春の若駒が壮絶と形容されるような極限のレースを府中で繰り広げ、ダービーレコードを2秒も短縮しての決着。

 王者として君臨し、その血統に世界制覇の夢を見たキングカメハメハは、それから半年もせずに屈腱炎に見舞われ引退。2着に飛び込んだハーツクライは昨年末に悲願のG1初制覇を果たした。年が明けてからはドバイで海外G1を獲得し次はアスコットで欧州最高峰を目指している。良くも悪くも夢を背負わされ続けたコスモバルクは、地方所属馬初の偉業を達成。しかしレース後の血液検査の結果、再検査を余儀なくされ未だ帰国できずにいる。彼に責任はないのに相変わらず問題事の中心に置かれてしまうのは、もはや宿命なのだろう。

 そう、あれからもう2年も経った。キングカメハメハが残した海外G1の夢を、あのダービーを走った馬の中から2頭も達成したのだ。あの日を思い出させるような五月晴れの下で今年のオークスは行われる。まだ3歳春の若駒たちの祭典。一生に一度の夢舞台だが、そこは終着駅じゃない。世界へ続く道の途中。そのエネルギーは拓けた未来に繋がっていく。

 さあ、女王決定戦の始まりだ!


■オークス
 とか言ってたらまた壮絶なことになっちゃいましたね。
 なんというか、04年ダービーほどじゃないにせよそれに似た壮絶な。コイウタが走るのを止めた瞬間、マイネルブルックのことかー!!って叫びそうになりましたよ、ええ。

 レースは逃げたヤマニンファビュルが超ハイペース。しかし2番手以下は離れて追走し、1000m通過が60秒後半くらいとミドルペース。問題は3角途中から前と一気に差が詰まってアサヒライジングが先頭に立った辺りまで。アサヒライジングが先頭に変わる前の200mが13.2秒だったものが、先頭が変わってからの200mは11.6秒。馬群全体がペースを上げながら前に追いついて一気に交わしてしまった形で、前半のミドルペースから一転しての厳しい後半。オークス(牝馬限定戦)によく見られるゆっくりとしたペースからの直線での瞬発力勝負とは真逆の、パワーとスタミナとが問われる本物のG1と言えるレースの質となってしまった。

 例年通りのレース展開を想定して予想をしていた私は当然大外れ(コイウタがやめた時点で外れは確定していたが)。上がり最速馬が連に絡むこともなく、桜花賞上位組が好走することもなく、距離不安がささやかれた馬が激走することもなく。これはデータが当てにならないという結果が出たのではなく、今年のオークスが特殊だったということだというのだけは頭に留めておきたい。

 牝馬限定戦という意味でも特殊なレースだったと言えるので、今回好走した馬が牝馬限定戦に出走したところで好走できるかはわからないし、逆に案外だった馬が牝馬限定戦で力が劣るかというのもまたわからあいわけで。今年のオークスは牡馬との混合戦(で想定される展開)への適性が試されたレースだったという風に捉えるのがいいのかも。

 1頭ずつは↓で。
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■フジキセキ通信・5月21日号
 今日は3歳未勝利をショウナンアンジュが勝利。昨日に続いて勝ち上がりが出て、相変わらずのアベレージを感じさせる。

■コイウタ

開催競馬場・今日の出来事
http://www.jra.go.jp/info/0605/20060521-today.html

11Rの競走中止
6番コイウタ号(横山 典弘騎手)は、他の馬に関係なく、馬体に故障を発症したため、3コーナーで競走を中止しました。
馬 :右肩跛行
騎手:異状なし


 だから鎮魂歌じゃないって言っただろ馬鹿野郎。良かった。ホント良かった。久々に買いに行った馬券が紙くずになったのがホントどうでもいいと思うくらいに安心した。無理させずに止めてくれた横山さんにも感謝したい。馬を思いやる気持ち、相手を思いやる気持ち。秋には再び美しい旋律で恋歌が奏でられると信じている。
 とりあえずなんとか3頭目まで。というか、この3頭で勝負勝負。朝起きれたら。
 
 第67回優駿牝馬・コイウタ
 第67回優駿牝馬・アサヒライジング

キストゥヘヴン 牝3
 6戦3勝 2着3回 3着0回
 1着:桜花賞G1・フラワーCG3
 2着:特になし
 3着:特になし


 今年の最速上がり最有力候補はキストゥヘヴンだろう。そしてオークスというレースは最速上がりの馬がそのまま堅い軸となるレース。ということでこの馬に逆らうのは得策とは言えない。

 父アドマイヤベガサンデーサイレンスのキレを最もよく伝える後継。4世代を残すのみでこの世を去ったのは惜しかった。勝ち上がり率が低いなど、アベレージはそこまでよくないのだが、上級馬はみな素晴らしいキレを持った勝ちきれる馬に出る。キストゥヘヴンもその血をよく引いて素晴らしいキレを持っている。

 過去のレースを見ても例年通りのオークスの流れになれば、この馬がまず最速上がりを記録するだろうし連を外すことも考えにくい。イメージとしては父アドマイヤベガがダービーを勝った時の様に、直線でキレの差で交わすレースを見せてくれることだろう。無難にこの馬だけは押さえておきたいところ。

 例年通りのオークスの流れになれば、ね。
 第67回優駿牝馬・コイウタ

 オークスシリーズその2。とても気になる馬の一頭を。

アサヒライジング 牝3
 8戦3勝 2着1回 3着1回
 1着:アネモネSOP
 2着:クイーンCG2
 3着:なし


 逃げて直線でもう一度伸びる強い逃げ馬。こういった強い逃げ馬がオークスに出走することはほとんどなく、そのためこの馬の存在は過去のデータからだけではどのようなものになるのかは今ひとつ分からない。ただひとつ言えるのは、人気2頭が後ろから行くのは確実で、後ろが仕掛けて来た頃には時すでに遅しというレースをすることができる条件は整っているということ。

 問題は逃げに出てもいいと思っているヤマニンファビュルと、陣営の言葉から逃げの手に出てきそうなフサイチパンドラの2頭との絡み。アサヒライジングが逃げにどの程度こだわるのかは分からないが、逃げなかった(逃げられなかった?)新馬戦と菜の花賞では大きく離されて負けている。上がりは35秒半ばくらいはかかってしまうタイプだということをあわせて考えると、後方集団からに差をつけてすんなりと逃げてしまいたいのかもしれない。

 しかし牝馬の逃げ馬はほとんどが短距離でスピードに物を言わせて行ってしまうタイプか、気性面に難を抱えて前に行くしかないというタイプばかりで、アサヒライジングのように有力馬でありながらオークスの距離でもちゃんとした逃げを打って勝負に出られるような馬はほとんどいないので、どう判断していいのか少し難しい。思い出すのはダイワエルシエーロの逃げ切りがあるが、あれは特殊なスローペースによるもの。それに上がりもある程度にまとめられる馬だから為しえたことでもある。

 アサヒライジング自身の話に戻す。彼女は逃げた方が確実に好成績を残しているところから逃げ馬であることは間違いない。そして府中の長い直線を考えてもスローに落としての瞬発力勝負を望むのも苦しそう。ただ、血統的には距離は問題なさそうだし、実力で勝ちに行くちゃんとした逃げに出られる。そのちゃんとした逃げのデータは過去にないため、それがはまってしまった時には過去のオークスとはまったく異なる結果が待ち受けているのかもしれない。

 そういえば、血統的に距離は持ちそうという話。母系は距離が持ちそうというよりスピード不足と言いたくなるくらいな血統だが、父ロイヤルタッチはどんなもんだと調べてみた。検索能力が低いもんで全産駒データなどはちょいと持ってこれなかったが、アサヒライジングは代表産駒だろうし産駒の獲得賞金上位20頭の成績でも見てみれば何か傾向わかるかなと見てみたが。ちょいとばかり開いた口が塞がらなかった。

 賞金上位20頭中、芝での勝利経験がある馬がアサヒライジングを含んで3頭しかいなかった。どこまでダートに偏ってんだよ、と。そのダートでも1800m辺りが多い感じで、芝に出ては惨敗する馬がほとんど。ダートが得意というよりも単純にスピード不足なんじゃないかと思うくらい。ちなみに20頭中9頭が地方所属だったり、オープン馬がエーピーフラッシュのみだったり、獲得賞金上位20頭の中に未勝利馬が入っていたりと、なかなか壮絶なことになっている。

 この結果からロイヤルタッチ産駒の傾向は結局よくわからなかったが、血統的にはやっぱりなんとなく持ちそうってので間違いないんじゃないかと。もし大きく負けるとしたら、それは距離よりも自分のレースができなかった時かな、と。

 じゃあ自分のレースができた時は? 面白い結果が待っているかもしれない。
 ◎予定のウチの娘っ子。ウチったってPOなわけじゃなく、フジキセキ産駒ってだけだが。

コイウタ 牝3
 8戦4勝 2着0回 3着2回
 1着:クイーンCG3・菜の花賞OP・カンナSOP
 2着:なし
 3着:桜花賞G1・京王杯2歳SG2


 東京競馬場改装後のオークスでは桜花賞の上がり3Fで速いタイムを出した馬が好成績という分かりやすいデータがある。また、改装前からオークスでは上がり3Fのタイムが1位の馬はほぼ頭まで来ているというデータもある。そのどちらを考えても一番手に推しにくいコイウタだが。

 過去13年分のデータ(中途半端なのはそこまでしか見つからなかったから)を振り返ると、最速上がりを出さずオークスを勝利した馬は04年のダイワエルシエーロ(上がり3F:6位)、96年のエアグルーヴ(上がり3F:4位)、94年のチョウカイキャロル(上がり3F:4位)の3頭だけ。それぞれの年で上がり3Fで1位のタイムを出したのは04年がスイープトウショウ、96年がファイトガリバー、94年がゴールデンジャックで、全馬2着まで来ている。

 逆に言えば上がり3Fで1位を出した馬は最低でも2着ということか。つーか12戦9勝2着3回って凄いなオイ。

 2着止まりだった3回の勝ち馬に注目してみると、上がり3Fで一番の脚を使った馬が2着止まりだったくらいだけあって、3回とも4角の位置取りは4番手以内だ。つまりはもし今年のオークスが上がり3Fを1位のタイムで伸びてくる馬が2着止まりの年であるとするならば、それを抑えて1着でゴールするためにはある程度は先行できる馬でなければならないというのは必須条件。その上で更に求められるのは上がり3Fをある程度のタイムでまとめるということ。最速馬より1秒以上遅れるようでは苦しい。なおかつ最速馬が4角では10番手以下の後方に位置しなければならない。

 最速馬が勝利した9年は、4角4番手以内の全馬とも上がり3Fで最速馬よりも1秒以上遅れているか、もしくは最速馬が中団グループより前の位置からその脚を繰り出しているケースばかり。唯一の例外は99年のオークスで、4角を4番手で回ってきたトゥザヴィクトリー(上がり:35.1秒)が後方14番手で回ってきたウメノファイバー(上がり:34.6秒)に差し切られたケースのみ。この時も着差はハナとゴールの瞬間に差し切られたもので、最後まで押し切りそうな勢いだった。

 そこで今年のオークスを考えてみる。最速上がりを繰り出しそうな人気馬のキストゥヘヴン・アドマイヤキッスは、前走までのレースぶりや鞍上、枠順を考慮するに後方から行く可能性はかなり高いだろう。お互い意識しあうのも確実で舞台は直線の長い府中では、4角では10番手以下の位置取りも充分に考えられる。そしてある程度先行できて上がりもまとめられそうな馬はと探してみると、自然と浮かび上がってくるのがコイウタしかいないのだ。

 前走桜花賞では先行して4位の上がり(最速から0.6秒落ち)を使い、1着から約1馬身差の3着。東京競馬場でのレースは過去2回とも34秒台前半の脚を使って最速上がりを記録。条件をクリアした上に東京競馬場との相性はいいとくれば、これは勝負する価値は充分だろう。というかこの馬から買わないのであれば、キストゥヘヴン・アドマイヤキッスから買う以外のシナリオは殆どありえないのではないかと思う。

 コイツを頭にして、あとは横山さんを信じるのみ。

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