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Tag : 天皇賞
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 久々のG1回顧。というか、何かしらのエントリを書かないとこの気持ちの盛り上がりを収められない。山河拓也がどんな風にこのレースを書くのか今から気になってしょうがない。


■天皇賞
 テンポイント・トウショウボーイ・グリーングラスの有馬記念を筆頭に、日本競馬の歴史に残る名勝負がある。その語り継がれるべき名勝負にまたひとつ名勝負が刻まれた。このレースをリアルタイムで見ることができたことを心から嬉しく思う。

 レース前から楽しみでならなかったが、想像していた以上のレースだった。本当に凄かった。本当に凄かった。

 正直、ディープインパクトを見ることができたことより、このレースを見ることができたことの方が、将来自慢できるんじゃないかと。つの丸(たいようのマキバオー)じゃないけど、やっぱ競馬ってのは1頭でやるもんじゃない本当に強い馬がいて、ライバルがいて、そしてレースがあって、名勝負が生まれる。それが競馬なんだな、と。

 レースをラップで振り返ると、テン1F目と最後の1Fが12秒台で、それ以外はすべて11秒台。前の馬だけじゃなくて後ろの馬も決して楽じゃないどころか、本当に厳しいレースだった。レコード決着も納得の完璧なレース。馬にとっては一番苦しいレース。最後の1Fが12.6というのが何よりもの証拠。このクラスの馬がこの馬場で最後1Fを12秒台後半かけてしまうというのは、極限の消耗戦となった証拠


■ウオッカ
 阪神JF・ダービー・安田記念に続くG1・4勝目を最高のレースで飾った。

 7枠14番と府中2000mでは圧倒的不利な外枠に入ってしまったが、武豊が非常に上手い乗り方をしていた。いい位置をキープするためにある程度前目へ、末に影響が出ない程度に前へ。先行集団の後ろ外目につけて、直線でもギリギリまで我慢しての追い出し。最高の騎乗だった。これで負けたらどうしようもないというレース。

 府中コースが向いているというのは間違いないのだろうが、それにしても府中だと本当に強い。今日のレースができるならJCでも主役間違いなし。この馬も歴史に残る名牝。日本競馬史上でもトップの名牝の1頭


■ダイワスカーレット
 こちらもまた日本競馬史上でトップの名牝。この馬がいたからこそ、今年の天皇賞がこれだけの名勝負になった。

 枠順は理想的。スタートも完璧。2F目を10秒台でなく11秒台にできたことが何より大きかった。このおかげで最後の直線であれだけの脚が使えたのだろう。また、この馬がこれまで結果が残せた理由として、自分が楽に走れる環境だったというものがあるが、今回もまたテンから競りかけてくるような馬がいなかったのは大きい。

 そうはいっても今回は2F目からずっと11秒台の厳しいレース。向こう正面途中からトーセンキャプテンが後ろから牽制してきていたのが大きい。今までのレースではラップを落とせたところで、今日は楽をさせてもらえなかったのだ。

 その中で鞍上は完璧なレースをした。直線でも外の人気馬2頭が追い出すまで仕掛けを我慢。先に仕掛けてしまっては最後の最後で差し切られる、それを感じてギリギリまで追い出しを待った。

 直線では一度完全に交わされて、このままズルズルと下がってしまうかと思われた。ところがこの馬はそこから差し返して、ゴール板を通過する時にはウオッカと完全に並ぶ。競馬力学的に考えて、およそ考えられないような走り

 2cm差での敗戦は記録の上でのみの敗戦。ダイワスカーレット自身は決して敗者ではない。勝者が2頭いる、そんなレースだった。


■ディープスカイ
 変則2冠馬が天皇賞での変則3冠目を目指して出走。この3着は決して恥じるものではない。

 この馬は1枠2番に入ってしまったのが何より大きい。府中2000mでこの枠では好位につけるか最後方に下げるかしかない。個人的にあまり信用していない鞍上なんで、最後方→大外ぶん回しを選択するかと思ったが、好スタートもあって好位へ。

 決してこの馬の持ち味を生かしきる位置取りではない。道中でもかかりそうになるのを鞍上が懸命になだめる。後ろにウオッカ、前にダイワスカーレット。3歳馬には酷すぎる展開。

 それでも直線ではダービーで見せた脚が本物だったと思わせるには充分の走り。最後の最後でウオッカにねじ伏せられた形だが、この馬はまだまだ強くなる。年齢の差がクビ差に。

 JCでは枠次第だがこの馬が一番変わり身を見せてくるんじゃないかと。これだけ厳しい状況で3着を譲らなかったのは実力の証明。来年は海外遠征も視野とのことだが、この馬なら何かを起こしてくれる。


■カンパニー
 枠順が決定した時に「ああ、カンパニーは最後方からだな」と真っ先に思った。

 末脚の鋭さは元々見せていた。それを横山典弘が先行させて勝てる馬に変えてしまっただけ。そしてその横山典弘が、この天皇賞のメンバーでこの枠で何をするかと考えたら、絶対に後ろからレースをしてくるんだろうなと思った。一発を狙ってくるんだろうな、と。

 自分で先行できる馬に変えて、このメンバーのこのレースで後ろからのレースに戻して。直線では馬群をぬって伸びてきて、突き抜ける勢いで前の3頭に並びかける。いや、本当にこの騎手は凄いよ。

 実力的に上3頭と遜色ないなんてことは言えない。はっきりと劣っていると言っていい。それはこの馬が弱いわけじゃなくて、3頭が強すぎるというだけのこと。この馬だって充分に強い。

 その僅かに足らない部分をこの騎手は自分の腕で埋めようとした実際に埋めてきた唯一の誤算は上の3頭も騎手が完璧なレースをしてきたこと。ただそれだけ。

 いや、やっぱこの騎手は凄いなぁ。こんな脚を持っている馬を先行させるんだから。こんな脚を完璧に生かしきって上3頭にここまで迫るんだから。
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 全体的にメンバーの割りにはまともなレースになってくれたなという感じ。それでも勝ち馬は恵まれていた印象が残る。


 12.8 - 11.3 - 11.3 - 11.4 - 12.0 - 12.1 - 12.3 - 11.9 - 11.2 - 12.5

 インティライミがテンからぶっ飛ばすってほどでもないが、後続をジリジリ引き離す逃げで3角まで。後続はみな上記の先頭を走ったラップより少しずつ遅く回ってきていることに。

 2F目から連続で 11.3 - 11.3 - 11.4 と刻んだのは立派だが、4角で息が入っているのは間違いない。また、先に書いたように後続はみなこの区間で少しずつ引き離されていることからも、大逃げではない割りに同じラップは刻んでないわけで。もう少し楽なラップだったのは間違いない。逆に4角辺りでも差を詰めたことからも、ダイワメジャー以下は緩急のない早めのラップを刻み続けたという形。

 こういう展開で最後に1,2Fほど速い脚を使って押し切るというのは皐月賞でも見せたダイワメジャーの得意パターン。それに後続が付き合ってくれて、なおかつ突っ込んでくるはずの馬が突っ込んでこなかったというのがありがたかった。最後12.5秒を見逃してくれる相手ばかりじゃないはず。

 このレースがJCや有馬記念に繋がるかどうかは微妙。ラップ自体は実力が出るラップだが、質がやや低い感じだ。

 1頭ずつは続きで。
■メイショウカイドウ
 59kgを背負って、実績のある小倉ではない中京で。ちょっと敬遠したくなる要因が揃っていながら他を圧倒する強いレースぶり。平坦小回りならこの辺りのG3メンバーとは力が違うことを見せ付けた。

 実力的には秋の天皇賞でも勝負になるくらいなのだろうが、より力が発揮できる条件が小回り平坦。この条件で行われるG1が存在しない日本では、今後もG1を手にすることもないだろう。実力的には足りていると思うのだが、得意条件のレースが日本競馬の体系では脇に置かれるレースしかないというだけで、G1勝ち馬となることは困難。

 強い、弱いと語る上で、何を持って強いとするのか。実績ですら絶対的なものとすることができないという典型例。ただ、条件を問わないことも含めて強さとする場合にのみ、メイショウカイドウも一流馬ではないと言い切れる。スペシャリストを許すのならば、この馬だって現役最強候補の1頭だ。

 そうは言っても、昨年の大敗したレースにはどれも理由が明確にある。というか、上がりが速くなるレースに向かないというだけの馬。昨年秋の毎日王冠と天皇賞では、自身も33秒台の脚を繰り出しながらあの着順になってしまうような、特殊なレースだっただけ。春の中山記念・マイラーズCでも、34秒台の脚を使ったものの、それ以上の周りが速い上がりを使っていただけ。

 今日のように上がりがある程度かかる条件が整えば、秋の天皇賞では軸候補まである。おそらくG3までの馬というイメージがついてしまっている馬だけに、天皇賞では相当面白い存在になるかと。


■メイショウバトラー
 あまりにも渋すぎる血統の6歳牝馬。芝中距離で重賞戦線に乗っていた馬がダートの短距離へ。1年半近い休養を1度叩いただけ。2馬身突き放しての勝利も驚きだったが、この馬が単勝オッズ20倍を切っていたことの方が驚きだ。

 正直まだ走れるなんて思っていなかった。条件云々よりも、さすがに終わっているだろうと思っていた。ダートとはいえ、この距離のレースを先行できる脚があるならば、今後もまだまだやれそう。今回は一発激走しただけのフロックではなさそう。


■時代
 サンデーサイレンス産駒、無敗の3冠、鞍上武豊のディープインパクトが昨年の主役。それを止めたのもサンデーサイレンス産駒のハーツクライ。去年の競馬界がそんな形で盛り上がった中、今年は春の2冠を制したのが日本では非主流血統と言えるメイショウサムソン。そして今日は東西でメイショウカイドウ・メイショウバトラーのメイショウ冠の馬が重賞制覇。流れなんてないなんて、誰が言えるだろう。


■アグネスツイスター
 注目しているアグネスタキオン産駒が2勝目。なんてったってアグネスレディー3×4と奇跡の血量。まさにアグネスの意志力で生産された1頭。

 ちなみに1歳下の弟も父はアグネスタキオン。2歳下の弟はアグネスフライト産駒と、この兄弟はアグネスレディー3×4を意識されて生産されたことは明白。

 上がりの3Fが 12.0 - 11.3 - 11.7 というレースを、古馬に混じって4角後方2番手から差し切っての勝利は秋に期待を抱かせる。500万下とは言うものの、菊花賞で掲示板に載るには、1000万下中距離戦で勝てる実力さえあれば、あとは適性があるかどうかのみ。

 メイショウサムソンの3冠を阻止する馬候補として期待している。
■キャッシュコールマイル
 驚異の活躍を見せるダンスインザムードが、3度目の海外遠征で見事に海外初勝利を挙げた。これで重賞4勝目(案外少ない)。日本産サンデーサイレンス産駒としてはステイゴールド・ハットトリック・ハーツクライに続いて4頭目の海外重賞制覇。サンデーサイレンス産駒としてアメリカ重賞を勝利したのはサンドロップ・サイレントネームに続いて3頭目。

 戦前の話ではメンバーはそれなりに揃ったということだったのだが、後方3番手を追走し3角から一気の捲くりで快勝。牡馬相手にG1で何度も好勝負を見せていたダンスインザムードにとって、アメリカ牝馬芝路線では格が違うといったところ。

 一時期のスランプと荒い気性で気分屋のイメージが定着してしまったが、昨年の天皇賞以降は常に力を発揮できるようになった。残した実績は勝ち鞍こそ少ないものの、過去の牝馬と比較しても最上位クラスにランクされるような活躍を見せている。にもかかわらず、やっぱり女傑のイメージは湧かないのだから、どうにも変わった馬だとしかいいようがない。

 秋は天皇賞からマイルCSのローテーションだろうが、ここまできたら引退レースを香港でとかを望む。想定される相手関係からは、3つともぶっこ抜く可能性もなくはないんじゃないかと。

 あ、一番驚いたのはこれが藤沢調教師の海外重賞勝利2勝目ってこと。イメージより全然勝ってないどころか、あのタイキシャトル以来8年ぶりとは思いもしなかった。日本馬はちょいちょい海外で勝っているイメージがあるのだが、藤沢さんにしてこれなのだから、海外遠征での勝利がいかに難しいことなのかということがわかる。


■アメリカンオークス
 父ロイヤルタッチ、母父ミナガワマンナという涙が出そうな血統のアサヒライジングが参戦。前日のキャッシュコールマイルの結果や過去2年のこのレースの結果の影響を受けたのか、なんと驚きの1番人気。ま、向こうからすれば同じサンデーサイレンスの子孫が今年もやってきたとしか映らないから、ある程度人気になるのは想定していたが。それにしても驚いた。

 レースは後方3番手からこちらも捲くり気味に上がっていくも、1頭強い馬がいて4馬身半差の2着。完敗だったものの、桜花賞4着・オークス3着の実績は過去のシーザリオ・ダンスインザムードと比較すれば明らかに劣っているもので、それからすればここで2着というのは充分健闘したという評価を与えてやってもいいのではないかと。

 一応は後ろからの競馬の可能性も示すことができたし、今後の可能性もぐっと広がったかと。まずは重賞勝利をどこかがひとつくらいやってほしいところだが。日本には強い馬が沢山いるからなぁ。


■ローテーション
 アメリカンオークスはこれで3年連続日本馬が参戦。キャッシュコールマイルは今年からスポンサーを得て様変わりしたレースだから初だったが、今後もヴィクトリアマイルから安田記念をはさんだりはさまなかったりでここというローテーションは充分成立していきそう。

 同じ開催でさほど高くない目標として参戦できるレースをこうやって並べる辺り、さすがエンターテイメントの本場アメリカだけあって興行を成功させる術をよく知っているなぁと思わされる。これならドバイや香港のような国際レースを並べた開催と同様に、参戦への敷居が随分低くなる。

 日本の国際レースが外国馬を集められない理由のひとつがこの辺りでもあるんじゃないかと。国内ではローテーションとして存在するものの、海外からすれば単発で散在しているようにしか見えない国際重賞。ほとんどのレースが外国馬の参戦もなく、名ばかりの国際レースとなってしまっている現状を見ると、なんとももったいないというか違和感があるというか。

 やはり興行主として国際レースと銘打っての開催を成功させたいのならば、もう少し何かしらの努力が必要じゃないだろうか。例えば、JCの日にJC・JCダート・エリザベス女王杯・マイルCSを固めてみるだとか。全部同じ週に開催するのが興行的に良くないというのなら、1週前にエリザベス女王杯・マイルCSだけでもまとめて、少しでも対外的にアピールする開催の仕方もあるんじゃないだろうかと。

 あとは春の安田記念辺りに宝塚記念・安田記念・ヴィクトリアマイル(距離の変更を望む)・新設ダートG1(新設阪神D2000m)を固めてみるのもアリかもしれない。この時期ならアメリカ勢、香港勢は参戦もしやすいだろうし、欧州勢も古馬の一部の参戦はない話じゃないだろう(超一線級の参戦は難しそうだが)。秋のJC開催開催案も2週くらい前倒しができれば香港の国際G1dayとの共同キャンペーンを打つことも可能となるし、もう少し海外の開催との関連性も持たせてみれば面白いんじゃないかと。

 ま、んなこと言っても、香港への短距離馬の流出を防ぐために阪神カップ(新設・阪神1400m定量G2)なんか作るような暴挙をしでかすような興行主には何を言っても無駄なんだろうけど。G1固めて同週開催ってのも、それぞれのG1単体での売り上げ減に繋がるとか言って嫌うんだろうし。てか、外国馬が毎年参戦するJCの売り上げが賞金や格の割に安いくらいだし、JRAは外国馬なんて来てほしくないとか思っているのかもしれないけど。
■第133回天皇賞(春)
 とりあえずこのタイトルだけでも先に更新しておきたかった。

 強い。凄い。さすが。
 という視点で書いても面白みがないので重箱の隅をつつきにかかります。

 明日か明後日かの更新に。



 ということで遅くなりましたが更新します。
 なんとか4頭目まで来れました。前の3頭へのリンクも。
 シルクフェイマス
 ディープインパクト
 リンカーン


トウカイトリック 牡4
 15戦4勝 2着3回 3着1回
 1着:なし
 2着:阪神大賞典G2・福島記念G3
 3着:ダイヤモンドSG3



 層の薄い4歳世代の中で上位に位置するオープン馬。まだオープンでの勝利はないが、エルコンドルパサー産駒の中では今年の芝路線でのエース的存在。個人的には鳴尾記念の時に人気に旨みありと判断して、馬単の頭にして総流し馬券を紙くずにされたことが思い出。

 とにかくスタミナの塊といった馬で、阪神大賞典での好走は驚くことでもなかったというくらいには評価していた。中距離でも重賞で勝負になるくらいは走れるのだが、キレという言葉から程遠いところにいる馬なのでレースを選ぶ馬。福島記念やダイヤモンドSのように最後の4Fから5Fにかけて早めのラップを刻んでゴールまで駆け抜けるレースでは、持ち前のスタミナで最後までしぶとく伸び続けてくれる(ダイヤモンドSは不利の影響で3着しただけで、不利がなければマッキーマックスと僅差と思われる)。

 逆に鳴尾記念や日経新春杯の時は瞬間的な脚が必要とされるようなラップが刻まれる区間=前後の区間と比較して0.5秒くらい速くなっている区間が後半に存在した、いわゆるキレが必要とされるレースだった分だけ上位と差がつけられてしまった(鳴尾記念はレースラップではそうでもなかったものの、逃げが離した展開で後半一気に差を詰めることが要求された)。

 つまりこの馬が上位に顔を出す時には、いわゆるサンデーサイレンス的なキレが必要とされない展開で、そういう意味ではシルクフェイマスマッキーマックスが来る時には一緒に来るし、来ない時には一緒に来ないという風に今回の天皇賞では考えていいのかもしれない。少なくともストラタジェムローゼンクロイツアイポッパーとの組み合わせの決着はちょっと考えにくい。

 ちなみにこの馬は今回の出走メンバーでは数少ないうっかりディープインパクトに勝っちゃうかもしれない1頭だと思う。実力的には大きな開きがあるどころか、出走全馬でもせいぜい5番目前後じゃないかという程度なのだが、勝つ可能性という見方をすればそれ相応のシナリオが必要とされるわけで。前でスタミナにものをいわせて押し切っちゃったよ的なシナリオか、レースが厳しいものになった時に流れを無視して内で控えて極限までためまくって最後爆発させたらはまっちゃったよ的なシナリオしかないと思われるので。前者の代表がイングランディーレ@天皇賞で後者の代表がハーツクライ@ダービー(2着だったけど)と言えばわかりやすいか。

 この馬次第でレースが変わってしまうだろうし、とりあえずは要チェックの1頭。
 なんとか3頭目まできました。4頭目にたどり着くことはあるのでしょうか。


シルクフェイマス 牡7
 33戦9勝 2着4回 3着5回
 1着:京都記念G2・AJCCG2・日経新春杯G2
 2着:宝塚記念G1
 3着:有馬記念G1・天皇賞(春)G1・金鯱賞G2



 重賞3勝、G1連対もあるマーベラスサンデーの代表産駒。マーベラスサンデー産駒としてだけでなく、サンデーサイレンス直孫の中でもカネヒキリに次ぐダイタクリーヴァツルマルボーイシーザリオ辺りと並ぶ1頭として数えてもいいくらいの馬だと思う。特に出世街道を一気に昇った2004年には重賞2勝、G1でも3着・2着・3着と3度も馬券圏内に入る活躍を見せている。

 それなのに不思議なくらいに評価が低い馬。別に一緒に走るメンバーがいつもレベルが高いというわけでもなく、むしろ緩いメンバーとばかり走っているにもかかわらず、だ。今回の天皇賞でもディープインパクトを別格とすれば、リンカーンに次ぐ実績を残しているので人気になっても不思議ないのにまったく人気になる気配がない。

 圧勝した日経新春杯でのラップやG1で好走した時には必ずひとつ前にタップダンスシチーがいるのを見るに、スタミナたっぷりの長い脚を使って後続を封じ込めるタイプ。タップダンスシチーのスケールダウン版というか、自分でレースを作れないタップダンスシチーというか。今年に入ってのレースからは得意の展開になっても苦しいところを見せていて、衰えは否定できないのだが、力を発揮できる展開になればこのメンバー相手なら恥ずかしいレースはしないはず。

 問題は力を発揮できる展開になるのかということ。ロングスパートが売りの圧倒的な一番人気が出走する今回は、この馬が得意とする展開になる可能性は充分考えられる。距離が気になるところだが、後続と一緒に最後バタバタのレースになりながらも交わされないままゴールに飛び込むシナリオはありえるんじゃないかと。

 つってもそれはディープインパクトを除いた16頭での話なんだけどね。

 この馬も好走の可能性は高くともディープインパクトに勝てる可能性は限りなく低い馬だろう。
 さて。今回は間違いなく圧倒的一番人気となるだろうディープインパクトでも取り上げておきますか。とてつもなく面白みのないものになるか、とてつもなく話が膨らんで最終的に全然関係ない方向に吹っ飛んでしまうか。


ディープインパクト 牡4
 9戦8勝 2着1回
 1着:東京優駿G1・皐月賞G1・菊花賞G1・阪神大賞典G2・弥生賞G2
    神戸新聞杯G2
 2着:有馬記念G1



 シンボリルドルフ以来の無敗の三冠馬。後方からレースを進めて3角辺りから一気に外をまくって追い込んでくるスタイル。ミスターシービーを彷彿とさせるスリリングな走りが魅力。ムチが入れられてからの爆発力はナリタブライアンのような恐ろしい破壊力。あとは、えーと、シンザンみたいに長寿ならほぼ完璧か。

 長距離、というかスタンド前を通過するコースだとかかる心配があるものの、かかったところで大した影響もないような走りを見せる。かかったレースで強い馬が出走していたことがなかったからなのか、ホントにかかったところで影響がないのか。どちらかは分からないのだが、今回の相手ならどっちだとしても影響なく勝ちそうに思えるんで、どっちでもいいだろう。

 脚質面では相変わらず脆弱性を否定できない。しかしペースが落ち着く長距離ならば動き始めてからはあっという間に周囲を置き去りにすることができるだろうし、揉まれて云々囲まれて云々というのは今回は見当違いの妄想に過ぎないか。

 というか、この相手で負けてもらっては困るわけだ。21年ぶり、シンボリルドルフ以来の無敗の3冠馬。この程度の相手で勝ち負けについて話をされるような存在では困るわけだ。現役に負けっぱなしの相手、ライバルがいることすら許しがたい。さっさとハーツクライとの再戦が楽しみだと言わせてくれ。これだけの存在になった以上は競馬ファンに落胆を与えてはならないわけだ。

 ということで、勝て。次いけ、次。
 天皇賞に向けてということでなんとなく1頭ずつ取り上げていってみようなんて考えが浮かんでしまいました。本番までに何頭取り上げることになるのかは分かりませんが、とりあえずやっていこうかと。

 その第1回としてディープインパクトを選ぼうなんてことは思いつきもせずに、なぜかリンカーンを選んでしまいました。理由は特にないです。別に特に注目しているってわけでもなく、ファンってわけでもなく。どちらかというと過小評価しすぎちゃうんかってくらいに低い評価を下し続けてきた馬なんですけども。ま、エントリのタイトルを書く時になんとなくこの馬の名前を書いてしまったので書いてみます。

 ええ。まだこの時点では何にも考えてませんよ。


リンカーン 牡7
 21戦6勝 2着4回 3着3回
 1着:阪神大賞典G2・京都大賞典G2・日経賞G2
 2着:有馬記念G1・菊花賞G1
 3着:有馬記念G1・宝塚記念G1・阪神大賞典G2



 重賞3勝の実力馬。G1での連対実績は2度、1番人気に支持されることも2度経験。実績は今年の天皇賞(春)出走予定馬の中では抜けた2番目。あくまでも脇役としてだが、G1の舞台に欠かせない1頭。実はG3への出走経験がなかったりする。

 コース別に見ていくと、中山と阪神では常に安定した成績で4着を外したことはないものの、東京・京都コースでは大敗もある。というよりも、天皇賞との相性が悪く春秋通算4回の出走で1回も掲示板に載っていない。掲示板を外したのが5回しかない(残り1回はダービー)ことを考えると、不思議なくらい天皇賞では走っていないのだ。後方に位置してはスローに巻き込まれ、中団に位置してはまったく伸びず。相手関係などの問題ではないような負けばかり。

 逆に天皇賞を除けばそれ以外のレースではどれも僅差のレースばかり。ゼンノロブロイハーツクライといった現役最強クラスの馬とも差のない競馬をしている。今回の最大の敵となるディープインパクトとも有馬記念で対戦してわずか0.2秒差で3着しているのだ。差のない競馬と言っても差のない負けばかりというのがこの馬の弱みだろうが。

 今回の天皇賞で12度目のG1挑戦となるリンカーンだが、どうしても天皇賞との相性の悪さが気になる。それがたまたまだとして、もし力を出し切って走ることができたとしても、また差のない競馬というやつでディープインパクトには勝てないのではないだろうか。

ディープインパクトの次に来る可能性は充分にあっても、前に来る可能性は限りなく低い馬。それが今回のリンカーンに対しての評価。チャンスがあるとしたら誰もいなくなった宝塚記念。結局のところこの馬はマーベラスサンデーのような馬なんだろうと思う。
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