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Tag : 松国ローテ
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■総額レコード
 1歳馬のセリが8年ぶりに復活したのもあって、なんと117億を越えるレコード。サンデーサイレンスだけで成立していたセリというイメージは、これで完全に払拭されたかと。

 むしろ、これを買っとけという定石だったサンデーサイレンスがいなくなったこともあり、逆に一部の馬に偏った感じ。それが結果として6億というレコードにも繋がったのだろう。


■6億について
 新聞コラムや各地ブログでペイできるのかってのが焦点になっているが、そんなもん考えて落札したわけがないだろうと思う。

 ペイできるかどうかを考えてサンデーサイレンス産駒ばかりが1億を超える落札額だったのだろうが、現在どう考えてもサンデーサイレンスほど期待値・信頼感が高い種牡馬はいないわけで。にもかかわらず1億を超える額を投じている人間がいるわけで。純粋にペイできるかどうかだけで考えれば、サンデーサイレンスがいなくなった時点で1億突破するようなことはほとんどなくなるのが自然な形。

 また、産駒がまだデビューしていない種牡馬や繁殖牝馬の仔=未知数な仔の方が高額になっている風にも思えた。それは、すでに結果を残している種牡馬は、サンデーサイレンスほどの結果は残していないことから、サンデーサイレンス産駒を買っていた頃のようにを賭けられるのは、結局のところ結果を出していない種牡馬や繁殖牝馬しかいないという心理がそのまま表れているのだろう。

 6億馬に話を戻すと、父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリーはともに産駒デビュー前。そんな血統で馬体もまだどう化けるか分からない当歳馬に6億という値段がつけられたのなら、それはどう考えても夢の値段がほとんどに違いないわけだ。

 夢を買うために投じられたお金が回収できるのかを考えることほど虚しいことはないだろう。きっと寺山修二があの世で笑っている。


■夢の値段
 夢の値段として6億が高いわけじゃないとして、それではなぜこの馬にそれだけの夢を見ることができたのかについて少し考えてみたい。

 母トゥザヴィクトリーは父がサンデーサイレンスで、エリザベス女王杯を勝利してドバイWCで2着という実績がある。サンデーサイレンス産駒の牝馬としては、ダンスインザムードに次ぐ実力馬で、ダンスパートナー・アドマイヤグルーヴと同等の評価をしていいくらいの強さを持っていたと思う。母父サンデーサイレンスというのもそろそろブランド化してきた感もあり、母側は夢を見るには充分な要素が揃っている。

 父キングカメハメハについては、ナリタブライアンを超える日本調教馬としては最高額となるシンジケートが組まれたほどの馬。NHKマイルCでは後続を寄せ付けない圧勝、ダービーでは超ハイペースを早めスパートで周囲を潰しながら後ろからぶっ飛んできたハーツクライを封じ込めるというあまりにも強すぎるレースを見せた。世界制覇の志半ばにして屈腱炎で引退となってしまったが、実力・距離の融通性をこの2レースを勝利することで証明。血統的にも世界的に大流行しているミスタープロスペクター系の中でも、特に距離に融通性を見せているキングマンボの産駒。世界制覇へと最も近づいたエルコンドルパサーも同じ父という素敵なおまけもついている。

 なるほど、確かにサンデーサイレンスとともに世界レベルに近づいてきた日本競馬が生み出した、考えられる限りの最高の実績と血統を備えた馬と言える。というか、仏オークス=世界制覇というテーマで、日本調教馬同士の父母を持つ馬と限定すれば、これ以上の血統はちょっと思いつかない。夢のために値段は問題じゃないと言える馬としては百点満点。


■松国ローテ再考
 かつてキングカメハメハが故障した時に、尋常じゃないくらいに松国ローテバッシングがあった。競馬ブログ界隈が初めて盛り上がった時というか、少々特殊な文化を持つ競馬ブログというカテゴリが、ブログとしての機能を存分に生かしきっての意見交換が行われた記念すべき時。私も祭りに参加とばかりに 予定が狂ったというか茫然自失というか:GIGEKI -smile smile- というエントリを書いた。

 そのエントリは松国ローテ擁護と呼ぶべきものだったのだが、ここ3年のダービー後の故障馬の多さと、今回のセレクトセールでのキングカメハメハ産駒の落札額を見るに、やはり松国ローテは彼の信念の結晶と言えるだけのものであり、厳しいローテではあるが無茶と言うほどじゃないローテではなく、高く評価すべきローテであるとの思いを強くした。

 現実に3歳秋までで古馬混合戦未経験という現役生活には見合わないほどのシンジケートが組まれ、初年度の種付け頭数は245頭と史上最高を記録し、産駒の1頭がセレクトセールで当歳牝馬の落札額で世界最高額を記録した。ここまでの評価を得る上で、松国ローテの存在は無視できないどころか、松国ローテのおかげでキングカメハメハはこれだけ評価されるようになったと言い切って差し支えないだろう。

 彼の信念である、マイルとクラシックディスタンスでの実績が、引退後の種牡馬としての評価を高めることに繋がるというのが現実のものとなっているのだ。その評価を獲得できるローテが存在して、両レースで成功を収めることができるだけの実力を持った馬がいるならば、そのローテを使わないということは、競馬ビジネスにおいて商品価値を高めるための努力を怠っていることになる。

 キングカメハメハが種牡馬として成功するかどうかは不明だが、少なくとも競馬ビジネスではすでに大成功を収めている。日本競馬は身内同士でぬるま湯に浸かるのが当たり前といった状況となっているせいか、ビジネス面では未熟で発展の余地はある。何でも世界基準に近づけろとは言わないものの、成熟した世界を目指す上でのひとつの方向性として、競馬ビジネスという考え方をもう少し推し進める努力は必要とされるのではないだろうか。

 つっても、ビジネスばっかじゃなく、道楽で金を落としてくれるパトロンの存在がいないと、文化ってものは衰退の一途を辿ることになるんだけど。そっち方面でも日本競馬界は甘いところがある。だから私はフサイチ冠の関口氏を高く評価している。人間的にはどうにも好きになれないものの、彼ほどビジネス視点でも文化視点でも競馬に貢献してくれる馬主は日本にはいない。松国さんと関口さん。もっと評価されるべき人だと思うんだけどなぁ。


■内国産馬の評価向上
 ひそかに危惧していたのは、サンデーサイレンスがいなくなったらかつてのような外国産馬全盛時代ってのがまたやってくるんじゃないかってこと。サンデーサイレンスという定石があったからセレクトセールが盛り上がり、内国産馬が中心となれていただけで、その定石が失われたらかつての定石とも言える外国産馬への流れに戻るんじゃないか、と。

 ところが、ここ3年のセレクトセールを眺めていても、サンデーサイレンス産駒が持っていた落札額レコードを、ダンスインザダーク・キングカメハメハが更新したのに代表されるように、1億円突破の頭数もさほど変わらず。これだけですべてを判断するのは不可能だが、どうも外国産馬購入へと大金が流れている様子ではなさそう。

 内国産馬への評価がサンデーサイレンスだけの一過性のブームで終わらなかったというのは嬉しいこと。もう種牡馬の墓場なんて言わせない。


■社台グループ偏重
 血統レベル、育成環境などを考えれば、社台グループ生産馬がそれ以外よりも高額で落札されるというのは理解できる。だが、あまりにも偏りすぎているような気もする。

 正直ペイすることだけを考えたら、落札額の差ほど期待値に違いはないんじゃないかと思うのだが。やはりここでも夢の値段ということで、社台グループがG1を独占という状況が、夢の値段分だけ上乗せされているんだろうか。

 つっても今年のクラシックは非社台の大爆発だったのになぁ。まったく反映されなかったなぁ。


■ダーレーの思惑
 結構高額で何頭も落札していたが。これは中央の馬主資格取得に向けてのプレッシャーをかけているのか、それとも海外で走らせるつもりなのか。どちらにしても、文明開化の音がするわけで。時代の移り変わりにまったくついてこれないのは、JRAさんだけだってこと。

 制度が変わるのが一番最後ってのは、どうにも日本のお役所的な感じがしてイメージ通りではあるものの。一市民からするとため息が止まらないなぁ、と。
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サムソン3冠へインパクト流調整:nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20060602-40150.html

フサイチジャンク 秋は菊目標:デイリースポーツonline
http://www.daily.co.jp/horse/2006/06/01/0000042385.shtml

アドマイヤメインは放牧へ:デイリースポーツonline
http://www.daily.co.jp/horse/2006/05/31/0000041702.shtml

マルカシェンク骨折、軽度手術せず秋は天皇賞か:スポーツ報知
http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20060531-OHT1T00230.htm


■菊花賞の位置づけ
 メイショウサムソンの2冠で幕を閉じた春のクラシック。各陣営、秋に向けてそれぞれの秋の過ごし方が発表されている。

 ジェニュイン辺りから3歳馬の一線級が菊花賞ではなく天皇賞に向かうというローテーションが徐々に増え始め、21世紀に入ってからシンボリクリスエスキングカメハメハなどが天皇賞に向かうプランを発表した時には、このまま菊花賞が本家セントレジャーのように廃れていってしまうのかと危惧されたりもあったが、今年のメンバーも多くは菊花賞に向かっていくようで。昨年のディープインパクトフィーバーを見ても日本人はクラシック3冠というのがお好きなようで、それなりに権威を保ったまま菊花賞も生き残っていけそうではある。

 しかし、毎年のように菊花賞に出られるだけの賞金を持っていながら天皇賞に向かう馬が何頭かは現れている。これは路線の多様化というだけではなく、単純に単独タイトルとしての菊花賞の価値が昔よりは下がってしまっているということでもあるのだろう。ザッツザプレンティ・デルタブルースになってもというところか。なんというか、菊花賞とベルモントSの位置が非常に似てきているんじゃないかなんてことも思ったり。


■菊花賞に向かう
 しかし想像していたよりも多く菊花賞に向かう馬がいるなぁという印象。ダービー前からマイラーだの中距離までだのと言われる馬が多かった気がするのだが。それにもしかしたら今年の秋の天皇賞はハーツクライ・ディープインパクトが出走しない空き巣G1となるかも知れず、3歳馬にもチャンスありとなりそうにもかかわらずなので、少し驚いた。これは去年も同じようなことを感じたわけで、ディープインパクトなんてのがいたにもかかわらず菊花賞に向かったから、ちょっと違和感があった。考えてみればネオユニヴァースの年も案外菊花賞路線へ向かう馬が多かったというか、ゼンノロブロイなんかは個人的には天皇賞に向かうと思っていたのに菊花賞へ出走したのだった。

 これらは日本人にとっては3冠が特別なもので、3冠馬が誕生するかもしれない菊花賞ならば、指をくわえて見ているなんてことはしないということなのだろうか。逆説的に言えば、菊花賞が純粋なステイヤー同士のレースとなるためには、2冠馬がいてはならないなんてことになったりして。中距離に適性がある馬が天皇賞を選択するためには2冠馬がいてはならないなんてことになったりして。


■ダービー・故障
 毎度お馴染みとなりつつある、ダービー後の故障報告会が続く。レース中のヴィクトリーランの競走中止に続き、マルカシェンクもレース中に骨折していたことが判明。ギリギリに馬を作って、ギリギリのレースが行われる、ダービーとは若駒には厳しいレースなのだろう。もちろん馬場の云々は無視できないのだろうが。今後も故障馬が増えることのないことを祈るのみ。


■松国ローテ批判批判
 ふと思い出したのがキングカメハメハの時の松国バッシング。かつて 予定が狂ったというか茫然自失というか:GIGEKI -smile smile- のように、NHKマイルC→ダービーという松国ローテ批判に対しての批判のエントリを書いたりもしたのだが。

 あの頃松国ローテを批判していた人たちは、今年のロジックのローテを批判したのだろうか。ダービーで11戦と酷使されて未だに放牧されたことのないメイショウサムソンの使い方に批判とかしているのだろうか。骨折明けから何とかダービーに間に合わせたマルカシェンク陣営を批判しているのだろうか。コスモバルクがシンガポール航空国際Cを勝利した時にもその使い方を批判していたのだろうか。

 アレは考えるほどにアホらしいバッシング大会だったなぁ、と。

 キングカメハメハが故障してしまったのは事実だが、松国ローテでの実績により組まれたシンジケートは史上最高額の21億円、昨年のキングカメハメハの種付け数は史上最多の245頭を数えた。

 競馬場で行われるレースがあくまでも繁殖馬の選定のために行われているのであれば、松国ローテは正しかったと言うほかない。つーか、他の使い方をしてこれ以上の評価を得ることができたかってーと、微妙なんじゃないかと。

 サラブレッドが怪我するのが見たくないなら、競馬を見るのをやめろって話だ。平気な顔して見ていろとは言わないが、怪我するのは仕方ない話だ。競馬って物はそもそもそういうものの上に成り立っている物なの。ファンとして残念に思ったり、悲しんだりって感情はそりゃあるだろうけども、怪我した馬の陣営に責任を擦り付けるのはやめとけってこと。
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